バンコクまで
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久しぶりにバンコクまで長距離バスの旅。
本当は寝台列車で行きたかったけど、
時間が読めないので、安心度が高いバスにした。
なにしろ、早朝にバンコクに着いて、
その足で飛行機に乗るからだ。
バンコクまで列車で13〜14時間のところ、バスだと約9時間。
なんという差だろう。
横になれないのは辛いけど、この差は大きい。
列車のたび
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午後の列車でバンコクからチェンマイに向かった。一番暑い時間帯。もわっとした空気が列車の中を通り過ぎていく。もちろん、冷房車でない。その代わり、物売りがよく来るので、食べるものには困らない。
チェンマイまでは15時間。バスだと10時間で着くのに、なんという遅さ。それでも、どこまでも続く水田地帯を見ながらの旅はそう悪いものではない。温泉卵の黄身のような美しい夕日を見ると暑さも吹き飛んでしまう。一緒の友達はこの夕日を見るために、列車に乗ると言う。
でも、やはり暑い。寝台列車の上に寝たけど、暑くて暑くて暑くて暑くて、汗がじわ〜っと出てくる。それでも、うとうととなんとか寝付く。
しばらくすると、今度は寒さで目が覚めた。クーラーが入ったのかという寒さだ。タオルケット1枚では寒くて眠れない。北部に近づいたのだろうか。
チェンマイに着いたのはまだ日が昇る5時半。寒くて、寒くて体が丸くなる。バンコクとチェンマイでこうも温度が違うのかというのを体感。乗り合いタクシーの風が冷たかった。
川辺の暮らし
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友達の友達がナコンパトム県の川辺に家を借りているというので、そこに遊びに行った。1時間も車を走らすと、バンコクの喧騒とは違う田園地帯が広がっている。水彩画家の彼はその川辺の家とバンコクの家を行ったり来たりしているという。
高床式の木の家の前に川がゆったりと流れている。10メートルほどある木の船も持っていて、時々川の旅に出かけるそうだ。時には船の上で寝、川で泳ぎ、田園やヤシの木の中を歩いて瞑想をする。そんな生活をしているそうだ。
私も船の上で寝て、そこから朝日を見、昼に川を遊覧した。その後、彼は川で泳ぎ、友達は原稿書きをし、私はハンモックで本を読む。ゆったりした時間が流れていて、余分なものが全部はぶかれていくよう。こういうのを豊かな生活というんだろうな。川沿いの家に住むなんて、理想の理想だ。どこかの御曹司を見つけるか。そういえば、テムズ川を愛する私の父親が、テムズ川沿いに住む御曹司と結婚しなさいと以前よく言っていたな。そうしたら川を見ながら毎日暮らせるからって。もちろん、父親自身が。
バンコクへ
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ちょっと用事ができたので、バンコクへ。チェンマイとは違い、もったりした空気の中に屋台や排気ガスの匂いが混ざり合い、タイに初めて来たときの匂いがする。懐かしい。
友達と一緒にタイ・マッサージの師匠の家へ行った。友達が師匠の本を手伝っていて、最終確認をするためだ。そのため、友達がコンピューターの前に座り、師匠は私にマッサージをしながら、原稿の確認を進めていった。師匠自らのマッサージを受けられる光栄な役目の私だけど、何しろ確認のためなので、左脚、左腕と片側しかしてくれない。全身してくれてもいいのになあ・・・・・・と思いつつ、いつの間にか睡魔に襲われていた。
しばらくして目を開けると、友達は相変わらずコンピューターに向かっていて、師匠はテレビを見ている。横のソファーで20過ぎの息子がゴロンと寝ている。その側で奥さんがもう1人の息子と一緒にラーメンを食べている。部屋の扇風機が生暖かい空気をグルグルと回している。私は眠気に逆らわず、ベッドの上でまた眠りにつく。この一部屋にタイの生活が凝縮されているな・・・・・・と思いつつ。
バンコク
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エレベーターで下に行くと、なんだか下界に降りていくよう。ドアが開くと、賑やかなむっとした空気が体を包み、現実へと引き戻される。
中華街へ行こうと思い、地下鉄に乗ることにした。初めてだ。何より驚いたのが、エスカレーターのスピード。速い。日本のよりずっと速く、足を出すタイミングが分からずドキドキしてしまう。電車は静かで空いていて快適。値段も手頃で、驚くほど早く目的地に着くのが最高に嬉しい。
夕方は「台湾足ツボマッサージ」の店に行ってみた。台湾で受けた足ツボが懐かしく、あの痛さを忘れて店に入った。でも、やっぱり、痛かった。手に汗を握り、緊張しっぱなし。とにかく痛くて、痛くて、持っていた文庫本が読めない。私が苦しがる度に、マッサージ師は「頭」「胃」「目」「肩」などと笑って言う。私って悪いところだらけ? と思うぐらい、痛かった。
バンコク暮らし
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泊めさせてもらったところは高層マンション。
部屋を移動すれば、360度近く見渡せる。
風もそよそよと入ってきて、心地良いし、蚊もいない。
部屋はとてもきれいなうえ、センスも良く、こんな所だったら1日中いてもいいなあと思える。
なによりも、初対面のご夫婦の暖かいおもてなしに感激。
敬遠していたバンコクへまた行ってもいいなあ、と思わせる、そんな場所。
あまりに快適なので、3泊させてもらうことにした。
列車でバンコクへ
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バンコクへ行くので、久しぶりに列車に乗ってみた。
チェンマイ−バンコク間の格安航空券が出回り始めたせいか、列車はガラガラ。
車両に男性1人と私、男性スタッフしかいない。
だけど、ランパーンあたりになると人がどんどん乗ってきて、すぐ満員となったのでホッとした。
列車はガタン、ゴトンとゆっくりと進んでいき、
横の道を走るオートバイや車にどんどんぬかされていく。
なんとも不思議な世界。
何しろ、チェンマイ−バンコク間を14時間もかけて走っていく。
長距離バスのほうがずっと速い。
その代わり、1つ1つの駅に止まる度にその土地の香りが窓から入ってくる。
モチ米や焼き鳥などを売る人たちが列車に乗ってくる。
それが旅をしている気分にさせてくれ心地良い。
でもちょっと贅沢に、冷房車に乗ったので、
それに出会うこともなく、ひたすら眠っていた。
お父さんの診療所
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昨日の午後ちょっと時間ができたので、友達の両親がしている診療所へ顔を出した。
とても小さいけど、市内プラトゥーナムのど真ん中にある。
便利な場所にあるので、友達に会わなくても、
お父さんやお母さんに突然ふらっと会いに行く。
最初にタイに来たのが13年前。
診療所の前には土ぼこりのする空き地があり、屋台が並んでいるだけだった。
それが今では大きなビルができ、空が狭くなってしまった。
それでも屋台の数は変わらず。
行く度にお母さんが屋台でパッタイをご馳走してくれるけど、その味も変わらない。
診療所は年々さびれていくけど、お母さんの笑顔はそのまま。
診療所の前にある新聞屋もそのままそこにある。
若夫婦がめがねをかけるようになり、子どもができ…と月日は感じるけど。
私も相変わらずあの頃からそう成長していないが、
タイ語が上達したから、診療所の皆と会話ができるようになったのが嬉しい。
でもさ、まさか13年前、タイに住むことになるなんて思わなかったなあ。
彫刻のコンテスト
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バンコク行きの目的は、クイーン・シリキットという会場で開催される
料理や果物の彫刻、氷の彫刻などのコンテストを見ること。
レベルの高いものを見て目をこやしたいから、自分への投資。
彫刻は個人戦。
約10人が3時間で好きに彫り、テーブルに飾り付ける。
皆が見ている中でプレッシャーを感じながらの作業。
もくもくと彫り続ける。
全員が全員「おおっ!」という技術でなかったのが残念だったけど、
誰が見ても1位をあげたくなる細かい彫りをしている人もいた。
なにより1番びっくりしたのが、
見に来ている人の半数近くが日本人だったことだ。
お菓子の御輿(みこし)
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お祭りは盛大なパレードで始まった。
鼓笛隊や民族衣装をまとった人たちの行進に続き、
お菓子で飾られたたくさんの御輿が列を作った。祭りの目玉だ。
この時期15日間だけ先祖が閻魔大王のもとから自由になり
この世に戻ってくると考えられているが、
明日が地獄に帰らないといけない日になっている。
その時に手土産を持たせてあげるのが、この御輿のお菓子で、
5種類のお菓子を用意しないといけないことになっている。
9月の日記で「カノム・ラー」と「カノム・カイプラー」の2つのお菓子を紹介したので、
今回は残りの3つを紹介。
1つはドーナッツのような形をしているもので、あの世で使うお金を意味している。
もう1つは丸やひし形の“おこし"で、いかだを意味し、
地獄に戻る途中にある海を渡る時に使うとされている。
3つ目はおせんべいのように平たいもので、タイ正月で遊ぶゲームを現している。
これらのお菓子や花で御輿を飾るけど、中には米や塩、唐辛子、マッチ、石鹸、
薬など先祖があの世で使えそうな物が入っている(実際には僧に捧げて、僧が使う)。
お菓子のお御輿なんてヘンゼルとグレーテルのお菓子の家みたいで魅力的だけど、
全部揚げ菓子なので色は茶色、味は粉と砂糖を練っただけの素朴な味。
それでもお菓子と聞くだけでワクワクするし、
なによりタイ人の飾り付けの器用さに惚れ惚れする。
これなら先祖様も満足しているだろうな。
先祖様、行ってらっしゃい! また来年会いましょう!




